会員サイト
会員サイトを無料で作る方法|できる範囲と限界
無料で「作る」ことはできます。続かないのは別の理由です。WordPressの無料プラグインとノーコードの無料枠で、どこまで作れてどこで止まるのかを整理しました。無料でも必ず発生する4つの費用と、その回避方法まで解説します。

会員サイトを無料で作りたいのですが、本当にできますか? 無料と書いてある記事を読んでも、結局どこかで課金される気がして……
中川 瞬作ること自体は、本当に無料でできます。ただ「作れる」と「回る」は別なので、どこで止まるかまで書きますね。
先に結論をお伝えします。会員サイトは、無料で作れます。WordPressの無料プラグインを使えば、会員登録とコンテンツの出し分けまでは費用ゼロで実装できます。
ただし、無料で「回す」のは別の話です。「無料で作れる」という言葉には、たいてい後ろに「作るところまでは」が省略されています。
この記事では、無料でできる範囲を具体的に示したうえで、どこで必ず費用が発生するのかを整理します。後半で、無料で作った会員サイトが止まる理由を、構造として説明します。
会員サイトは無料で作れるのか
作れます。方法は大きく2つです。
どちらを選ぶかは、何を無料にしたいかで決まります。サーバー代を払いたくないなら②、機能の制限を受けたくないなら①です。
WordPressの無料プラグインで作る
WordPressには、会員サイトを作るための無料プラグインが複数あります。代表的なものを挙げます。
| プラグイン | 特徴 |
|---|---|
| Simple Membership | 無料で会員レベルを無制限に作れる。有効インストール40,000件以上 |
| WP-Members | 設定画面が比較的シンプル。会員登録とコンテンツ制限に特化 |
| Ultimate Member | 会員プロフィールやディレクトリ機能を持つ |
| Paid Memberships Pro | 本体は無料。決済や高度な機能はアドオン |
※ プラグインの価格は、ドル建ての年額課金で改定が頻繁です。金額は必ず公式サイトでご確認ください。ここでは名前と役割だけを挙げています。
会員レベルの作成(無制限)、投稿・固定ページの保護、ログイン後のリダイレクト、reCAPTCHA連携、PayPal・Stripeでの決済。「会員限定にする」ために必要な機能は、無料版でひととおり揃っています。
無料プラグインの3つの限界
できることは多い一方で、止まる場所も決まっています。
① 会員の「その後」を持っていない
無料プラグインが担当するのは、「ログインした人にだけ見せる」ところまでです。
誰がいつ何を見たか、途中で止まった人が誰か、再度案内すべき人が誰か。こうした情報は、標準では取れません。取ろうとすると、別のツールを足すことになります。
② 解約・請求の自動化が有料になりやすい
有料会員を作るところまでは無料でできます。ですが自動解約、請求のリトライ、領収書の自動発行といった「運用の面倒」は、有料版やアドオンの担当になっていることがほとんどです。
会員が10人のうちは手作業で回せます。100人になると回りません。
③ 更新を止めた瞬間に、脆弱性が残る
これがいちばん重い制約です。会員サイトは個人情報を持ちます。WordPress本体とプラグインの更新を止めると、公表済みの脆弱性がそのまま残ります。
無料なのはライセンス料だけで、更新を追う手間は無料になりません。
ノーコードの無料枠で作る
サーバーを持ちたくない場合は、ノーコードツールの無料プランという選択肢があります。
こちらはサーバー代と保守が不要になるかわりに、会員数・容量・独自ドメイン・広告表示のどれかに制限がかかります。無料枠の条件は改定が頻繁なので、必ず公式で確認してください。
作りながら試したい段階なら、ノーコードの無料枠で十分です。独自ドメインで運用すると決めた時点で、どこかに費用が発生します。そこが無料の境界線です。
無料でも必ずかかる4つの費用
「無料で作れる」と書かれた記事の多くは、次の4つを計算に入れていません。
金額として見えるのは左の3つですが、実際に事業を止めるのはいちばん右です。更新を追う人がいなくなった時点で、会員サイトは「動いているが、放置されている状態」に入ります。
構築方法ごとの費用の実額は、会員サイトの作り方|WordPressなど4つの構築方法で整理しています。
ここからが本題|無料でも止まる理由
ここまでが、調べれば分かる範囲の話です。
そのうえで、ここからが今日いちばん書きたいことです。
無料で作ろうとしている方の多くは、費用を惜しんでいるわけではありません。まだ何をどこまで作るか決まっていないから、確定できる範囲から手をつけているだけです。それ自体は正しい判断です。
問題は、その順番だといちばん最後に決まるものが、いちばん最初に必要になることです。
会員サイトを作り終えたあと、必ずこの質問が出ます。
ここに、誰をどうやって連れてくるのか。
無料で作ったから止まったのではありません。入口を決めないまま、出口から作ったから止まります。これは有料で作っても同じです。
無料で作るなら、順番を変える
会員サイトは、作った瞬間には誰もいません。ログインの向こう側にあるので、検索にも出ません。
つまり、先に作るべきなのは会員サイトではなく入口です。人を集める場所と、案内する経路。それがないまま箱だけ作ると、無料でも有料でも同じように止まります。
無料かどうかは、続くかどうかと関係ありません。
止まる理由は費用ではなく、つなぎ先が決まっていないことだからです。会員サイトを作る前に、公式LINEやLPといった入口を先に用意する。この順番にすると、会員サイトは「作ったら人が入ってくる場所」になります。
よくある質問
Q本当に1円もかけずに会員サイトを作れますか?
A作れます。ノーコードツールの無料枠を使い、独自ドメインを使わなければ、費用はゼロです。ただし会員数や容量に上限があり、広告が表示されることがあります。
QWordPressの無料プラグインだけで有料会員を作れますか?
A作れます。Simple MembershipはPayPalやStripeでの決済に無料版で対応しています。ただし自動解約や請求管理は、有料アドオンの担当になることが多いです。
Q無料プラグインは、いくつも入れて大丈夫ですか?
Aおすすめしません。会員制プラグインは同じ場所(ログインとコンテンツ制限)を触るため、複数入れると競合して動かなくなります。1つに絞ってください。
Q無料で作ったあと、有料に移行できますか?
Aできますが、移行の手間は「移行先を決めてから作ったか」で大きく変わります。会員データの持ち出し方法を、作る前に確認しておいてください。
Qセキュリティは無料でも大丈夫ですか?
Aプラグインの質の問題ではなく、更新を追い続けられるかの問題です。会員サイトは個人情報を持ちます。更新を止められないことを前提に選んでください。
まとめ|無料で作れる。続くかは別
この記事では、会員サイトを無料で作る方法と、その限界を整理しました。
この記事の要点
- 無料で作ることはできる。WordPressの無料プラグイン、またはノーコードの無料枠
- 無料プラグインは「会員限定にする」まで。解約・請求の自動化は有料になりやすい
- 無料でもサーバー代・ドメイン代・決済手数料・保守の時間は発生する
- いちばん見落とされるのは保守の時間。更新を止めると脆弱性が残る
- 止まる理由は費用ではなく、つなぎ先が決まっていないこと
無料で作れるかどうかを調べている段階では、まだ判断材料が足りていません。
本当に決めるべきなのは、作ったあとに人がどこから入ってくるかです。ここが決まっていれば、無料でも有料でも回ります。決まっていなければ、どちらでも止まります。
だから私は、ツールを作るときに「安く作れること」を機能として置きませんでした。つなぎ先が最初から決まっていることを中心に置いています。
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