会員サイト

会員サイトの作り方|4つの構築方法と費用を比較

止まるのは「作り方」ではありません。会員サイトとは何か、4つの構築方法と費用の実額、無料でできる範囲までを整理しました。あわせて、作ったあとに空のまま残ってしまうサイトの共通点と、その構造的な理由も解説します。

公開 2026-08-06 最終更新 2026-08-23 出典はすべて一次ソースで確認済み
会員サイトの作り方|4つの構築方法と費用を比較
相談者

会員サイトを作りたいのですが、何から手をつければいいですか? WordPressで自作するか、ツールを使うかも迷っています。

中川 瞬中川 瞬

作ること自体は、思っているより簡単です。大事なのは順番なので、そこまで書きますね。

結論から言うと、会員サイトは、思っているより簡単に作れます。方法は4つあり、安いものなら月1万円台、条件によっては無料でも始められます。

ただ、私が相談を受けてきた中で多かったのは「作れなかった」という声ではありませんでした。「作ったのに、中身が空のまま止まっている」という声です。

この記事では、会員サイトの基本(種類・作り方・費用)を一通り整理したうえで、後半で「作ったのに動かない」が起きる場所を、精神論ではなく構造として説明します。

会員サイトとは|ログインした人だけが見られる

会員サイトとは、ログインした人だけがコンテンツを見られるWebサイトのことです。会員制サイト、メンバーサイト、メンバーシップサイトとも呼ばれます。

普通のWebサイトとの違いは1点だけです。誰でも見られるか、登録した人しか見られないか。この違いが、そのままビジネスの形を変えます。

一般公開のサイト ・誰でも見られる ・検索から人が来る ・広告や集客に向く 収益の作り方 その都度、売る 会員サイト ・ログインした人だけが見られる ・検索からは来ない ・既に接点がある人に渡す 収益の作り方 継続して、課金され続ける
【図1】一般公開のサイトと会員サイトの違い。会員サイトには、検索から人は来ません。ここが後半の話につながります。

いちばん見落とされやすいのが「検索からは来ない」という点です。会員サイトはログインの向こう側にあるので、Googleには表示されません。つまり会員サイトを作った時点では、入ってくる人はゼロです。

会員サイトの3つの型

目的によって、作るものが変わります。

  • コンテンツ提供型:動画講座、教材、資料を会員限定で置く。いちばん多い形
  • コミュニティ型:会員同士が交流する。掲示板やチャットが中心
  • サブスク型:月額課金で、継続的にコンテンツを追加していく

実際には混ざることが多いのですが、「毎月、何を渡し続けるのか」が決まっているかどうかで、作るべきものが変わります。ここが曖昧なまま作ると、後半で説明する止まり方をします。

なお、会員サイトとオンラインサロンは、ほぼ同じ仕組みです。コミュニティ性を前面に出したものをオンラインサロンと呼ぶことが多いだけで、土台(ログイン・会員管理・決済)は共通します。

サロンとして始めたい場合は、オンラインサロンの作り方プラットフォーム比較 も参考になります。

会員サイトに必要な4つの機能

構築方法に入る前に、会員サイトに最低限いる機能を押さえておきます。どの作り方を選んでも、この4つは必要になります。

  • ① 会員管理:誰が会員かを記録する。登録・退会・有効期限を持つ土台
  • ② ログインとマイページ:本人だけが入れる入口と、会員ごとの画面
  • ③ 決済・課金の連携:会費を受け取り、支払いが切れたら自動で締め出す仕組み
  • ④ コンテンツの出し分け:プランや会員ランクごとに、見せる中身を変える

この中で、あとで必ず問題になるのが③の決済連携です。会員管理と決済が別々のツールだと、解約した人がコンテンツを見られたまま、という事故が起きます。ここは後半でもう一度触れます。

会員サイトの作り方|WordPressなど4つの構築方法

構築方法は、大きく4つです。

① SaaS・ASP型 月額を払って使う 月1万〜5万円 初期 0〜数万円 ◯ すぐ始められる ◯ 保守が要らない × 使える機能が決まる × 払い続ける 個人・小規模向き ② WordPress プラグインを入れる 数十万円〜 自社で構築する場合 ◯ 自由に作れる ◯ 資産が自分に残る × 更新・保守が要る × 障害は自己責任 触れる人がいる場合 ③ ノーコード 画面上で組む 月数千〜数万円 ツールによる ◯ コード不要 ◯ 見た目を作りやすい × 決済連携で詰まる × 移行しにくい 見た目を重視する場合 ④ 制作会社へ外注 作ってもらう 数万〜数百万円 規模で大きく変わる ◯ 品質が高い ◯ 手間がかからない × 2〜6ヶ月かかる × 直すたびに費用 規模が大きい場合
【図2】会員サイトの4つの構築方法。どれが優れているかではなく、いま自分がどこにいるかで選びます。

① SaaS・ASP型|月額を払って使う

会員サイト機能があらかじめ用意されたサービスに、月額を払って使う方法です。初期費用0〜数万円、月額1万〜5万円が目安になります。

いちばん早く始められます。サーバーの管理もセキュリティ対策も、提供側がやってくれます。そのかわり、できることはサービスが決めた範囲に収まります。

② WordPress+プラグイン|CMSで自分で組む

すでにWordPressサイトを持っているなら、プラグインを追加して会員機能を足せます。

日本語で使えるものとしては WP-MembersSimple MembershipUltimate MemberMembers などがあり、本格的なものでは MemberPress がよく使われています。

費用感は、自社で構築する場合で数十万円〜、外注すると数百万円規模になることもあります。「プラグインを入れるだけ」に見えて、実際は決済連携・会員管理・コンテンツ制限の設計が入るためです。

プラグインの料金について

有料プラグインの多くはドル建ての年額課金で、価格改定も頻繁にあります。この記事では個別の金額を書いていません。検討時に公式サイトで最新の金額を確認してください。為替の影響も受けます。

③ ノーコードツール|画面上で組み立てる

コードを書かずに、画面の操作だけで会員サイトを作れるツールです。見た目を整えやすく、デザインの自由度が高いのが利点です。ツールの選び方は 会員サイトのツール にまとめています。

詰まりやすいのは決済との連携です。「会員登録はできたが、課金と連動しない」「解約したのにコンテンツが見られたままになる」といった箇所は、ツールをまたぐと必ず設計が必要になります。

④ 制作会社に外注する|作ってもらう

シンプルな会員サイトであれば数万円〜20万円程度、機能が増えると数百万円規模になります。フルスクラッチ(ゼロから開発)では1,000万円以上になることもあります。

納品まではおおむね2〜6ヶ月。品質は高くなりますが、作った後に直すたびに費用と時間がかかる点は先に見込んでおいてください。

会員サイトの費用|構築方法で桁が変わる

4つの方法を、費用だけで並べるとこうなります。

構築方法別の費用(初期費用) SaaS・ASP型 0〜数万円 外注(シンプルな構成) 数万〜20万円 WordPress(自社構築) 数十万円〜 外注(機能を足していく) 数百万円〜 フルスクラッチ 1,000万円以上 ※ 上記に加えて、月額の運用費(サーバー・ツール・保守)が別途かかります
【図3】構築方法によって費用は3桁変わります。作るものが同じでも、選び方で桁が動きます。

ここで注意していただきたいのは、初期費用だけで判断しないことです。会員サイトは作って終わりではなく、毎月払い続けるものです。サーバー代、ツールの月額、保守費用。これが本当のコストになります。

費用の相場と、初期費用・ランニング費用の分け方は 会員サイトの費用|4つの作り方と相場 に、隠れコストまで含めて詳しくまとめています。

会員サイトは無料で作れるのか

結論から言うと、無料で「作る」ことはできます。

WordPressの無料プラグイン(Simple Membership など)を使えば、会員登録とコンテンツ制限だけなら費用をかけずに実装できます。ノーコードツールにも無料枠のあるものがあります。

ただし、無料で「回す」のは別の話です。次のどれかで必ず費用が発生します。

  • サーバー代:WordPressを動かす場所は無料になりません
  • 決済:課金するなら決済サービスの手数料がかかります
  • 機能の壁:無料プラグインは「会員限定にする」までで、階層分け・自動解約・請求管理は有料版になることがほとんどです
  • 保守:プラグインとWordPress本体の更新を止めると、そのまま脆弱性が残ります

「無料で作れる」という言葉には、だいたい後ろに「作るところまでは」が省略されています。この省略が、後半で説明する止まり方の原因のひとつになります。

セキュリティ|会員サイトは個人情報を持つ

ここは軽く扱わないでください。会員サイトは、メールアドレスと、場合によっては決済情報を預かる場所です。

普通のホームページなら、乗っ取られても被害は自分のサイトに留まります。会員サイトは違います。漏れるのは、自分を信じて登録してくれた人の情報です。

自作を選ぶ場合、最低限これは必要になります。

  • SSL(httpsにする):ログイン画面がhttpのままなら、パスワードがそのまま流れます
  • WordPress本体とプラグインの更新:放置された古いプラグインは、侵入経路そのものです
  • ログイン試行の制限:総当たりでパスワードを破られるのを防ぎます
  • バックアップ:壊れた後ではなく、壊れる前に用意しておくものです

SaaS型を選ぶと、この4つは提供側の仕事になります。月額を払っているのは、機能ではなく「この4つを自分でやらなくていい状態」に対してだと考えたほうが、判断を間違えません。

ここからが本題|作ったのに、空のまま残るサイト

ここまでが会員サイトの基本です。調べれば分かる範囲の話でもあります。

そのうえで、ここからが今日いちばん書きたいことです。

私はこれまでに1,000件以上の相談を受けてきました。そこで繰り返し出てきたのは、「作り方が分からない」ではありませんでした。業種も規模も違う人から、同じ言葉が出てきます。

会員サイトは作ったんです。でも、そこから動いていなくて。

世間では、これを「継続力の問題」「コンテンツを作る努力が足りない」として説明します。ですが、それが主因だとは思っていません。

止まっているのは、だいたい次の3か所です。人ではなく、場所に偏りがあります。

会員サイトが「空のまま」になる3つの場所 1 入れる人がいない 会員サイトは検索に出ない。 誰に、どこから渡すのかが 決まっていない。 = 箱だけができている 2 更新が止まる 毎月何を渡し続けるのかを 決めずに作ったため、 2ヶ月目から手が止まる。 = 中身が続かない 3 つなぎ目で壊れる 決済・会員管理・連絡が 別々のツール。解約しても 見られたまま、が起きる。 = 自分では直せない
【図4】止まっているのは人ではなく、場所です。1,000件以上の相談で、同じ3か所に偏りました。

① 入れる人がいない

図1で書いたとおり、会員サイトは検索から人が来ません。ログインの向こう側にあるので、Googleには表示されないからです。

つまり会員サイトには、必ず外側に「入口」が必要です。公式LINE、メールマガジン、LP、SNS。どこから、誰を、どうやって連れてくるのか。これが決まっていないまま箱だけ作ると、ログイン画面の前に誰も来ません。

② 更新が止まる

会員サイトは、月額をいただき続ける形が多い場所です。ということは、毎月「渡すもの」が要ります。

ここを決めずに作ると、1ヶ月目は勢いで埋まり、2ヶ月目で止まります。作る前に決めるべきだったのは、デザインでも機能でもなく、「毎月何を渡すか」でした。

③ つなぎ目で壊れる

決済はStripe、会員管理はプラグイン、連絡はメール配信ツール、案内は公式LINE。バラバラのツールを、自分でつないでいる状態です。

この構成でいちばん多いのが、「解約されたのに、コンテンツが見られたままになっている」という事故です。決済側では解約されているのに、会員サイト側の権限が落ちていない。どちらのツールも壊れていません。壊れているのは、つなぎ目です。

そして、自分で組んでいない仕組みは、自分では直せません。ここで運用が止まります。

作る順番が、逆になっている

3つを並べると、共通点が見えます。

止まっているのは、作り方を知らなかったからではありません。作る順番です。

よくある順番 会員サイトを作る 中身を入れる 人を集める ← ここまで来ない 止まらない順番 入口を作る LINE・LP・メール 渡すものを決める 毎月、何を出すか 会員サイトを作る ← 最後でいい 会員サイトは、いちばん最後でいい
【図5】順番を入れ替えるだけで、止まる場所が消えます。この記事の結論です。

ここが、今日いちばん伝えたいことです。

世間は「会員サイトを作りましょう」と言います。作り方の記事も、私が書いているこの記事も含めて、たくさんあります。ですが、先に作るものではありません。

入口が先です。会員サイトは、いちばん最後でいい。

入口があれば、会員サイトが多少不格好でも人は入ってきます。逆に、どれだけ美しい会員サイトを作っても、入口がなければログイン画面の前は無人のままです。

そして、この順番を守ろうとすると、必ずぶつかる問題があります。

順番どおりにやると、ツールが増える

「入口を先に作る」と決めた瞬間、必要なものが増えます。

  • 公式LINEかメール配信:接点を持ち続けるため
  • LP:登録してもらうため
  • 会員サイト:渡すため
  • 顧客管理:誰がどこまで進んだかを追うため

これを別々に契約すると、相場ではこうなります。

別々に契約した場合の月額(一般的な相場) LINE配信ツール 約20,000円 会員サイト 約7,800円 LP作成ツール 約3,000円 合計(月額) 約30,800円 + つなぐ構築を外注すると初期10万円〜 無料で「作れる」ことと、無料で「回る」ことは、別の話です。 そして、この3つをつなぐ作業は、どのツールの料金にも含まれていません。
【図6】順番を正しくすると、今度は費用とつなぎ込みの問題が出てきます。

そして最後に残るのが、「この3つをつなぐ作業」です。これはどのツールの料金にも含まれていません。自分でやるか、外注するか。外注すれば初期で10万円以上が乗ります。

どのツールを選ぶかは 会員サイトのおすすめ比較 に、費用の相場は 会員サイトの費用、無料の範囲は 無料で作る方法 にまとめています。

制作会社に頼むときの決め方は 会員サイトの制作会社、作ったあとに続ける運営は 会員サイトの運営と解約防止 にまとめています。

よくある質問

Q会員サイトとホームページの違いは何ですか?

A公開範囲です。ホームページは誰でも見られますが、会員サイトはログインした人だけが見られます。そのため検索からは人が来ません。外側に入口が必要になります。

QWordPressで自作するのと、ツールを使うのはどちらがいいですか?

A「更新と障害対応を、自分でやり続けられるか」で決めてください。技術的にできるかではなく、3年後も続けられるかという基準です。できるならWordPressのほうが自由で、資産も自分に残ります。

Q無料で作れますか?

A作れます。ただしサーバー代、決済手数料、機能の上限、保守のどこかで必ず費用が出ます。「無料で作れる」の後ろには「作るところまでは」が省略されています。

Q会員が増えないのですが、サイトのデザインが悪いのでしょうか?

Aデザインの前に、入口を確認してください。会員サイトは検索に出ないので、外側の導線がなければ人は来ません。デザインを直しても、来ていない人には見えません。

Q解約した人がコンテンツを見られたままになっています

A決済ツールと会員サイトの連携が切れています。どちらのツールも壊れていません。つなぎ目の設計が抜けています。ツールをまたぐ構成では、必ず起きうる箇所です。

まとめ|会員サイトは「作る」より「順番」で決まる

この記事では、会員サイトとは何か、作り方、費用、無料でできる範囲を整理しました。

この記事の要点

  • 会員サイトは検索から人が来ない。外側に入口が要る
  • 構築方法は4つ。費用は数万円から1,000万円以上まで3桁変わる
  • 無料で「作る」ことはできる。無料で「回す」のは別
  • 止まるのは作り方ではなく、作る順番
  • 順番を正すと、今度はツールをつなぐ作業が残る

私が見てきた範囲では、会員サイトで止まる人は、努力が足りない人ではありませんでした。手順は持っていて、順番を持っていなかった人です。何を先に作るかを決める基準が無いまま、「会員サイトの作り方」の前に立たされている。

だから私は、ツールをつくるときに「会員サイトが作れること」を機能として置きませんでした。つなぎ先が最初から決まっていることを中心に置いています。

質問に答えると仕組みの型が図で出て、入口のLPも、公式LINEも、会員サイトも、URLが発行された状態で完成する。構築者が現場で使っている判断の順番を、そのままシステムの側に入れてあります。

一般的なツールは、会員サイトを作るためのシステムです。私がつくったのは、構築者の思考が入ったシステムです。

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