LINE公式アカウント
公式LINE自動返信の設定|AI応答メッセージ終了
公式LINE(LINE公式アカウント)の自動返信3種類と設定方法を整理しました。キーワード応答が完全一致でしか反応しない仕様、2023年に終了したAI応答メッセージの代わりにどうするか、個人アカウントに自動返信が無い理由まで。設定したのに返らない原因も解説します。

自動返信を設定したのに、返ってこないことがあります。設定を間違えているんでしょうか?
中川 瞬おそらく合っています。キーワード応答は「完全一致」でしか反応しない仕様なんです。そこから書きますね。
公式LINEの自動返信について、いちばん多い相談がこれです。「設定したのに返らない」。
先に結論をお伝えします。キーワード応答は、完全一致でしか反応しません。
「営業時間」で登録しても、「営業時間は?」には返りません。1文字でも違えば、無反応です。設定ミスではなく、そういう仕様です。
この記事では、自動返信の設定方法と仕様を整理したうえで、後半で「AIにどこまで任せるか」を書きます。
公式LINEの自動返信は3種類
まず整理します。公式LINEで自動的にメッセージを返す仕組みは、3つに分かれます。機能全体の位置づけは、公式LINEとは?できること・料金・始め方を解説にまとめています。
この3つは通数を消費しません。無料プランでも制限なく使えます。通数の数え方は、公式LINEの料金プラン|無料200通は「人数×回数」で決まるで整理しています。
個人アカウントに自動返信は無い
ここまでは公式アカウントの話です。先に、個人アカウント(ふだん友だちと使うLINE)について、はっきりさせておきます。
個人アカウントには、自動返信の機能はありません。設定画面を探しても、その項目は出てきません。「自動返信 個人アカウント」で調べて手が止まるのは、機能が無いからです。
混同しやすいのが「予約送信」です。iPhoneのショートカットなどで、決めた時刻にメッセージを送ることはできます。ですがこれは、来たメッセージに反応して返す自動返信ではありません。こちらから送るだけです。
「来たら自動で返す」をやりたいなら、道は1つです。無料の公式アカウントを作ると、この記事の応答メッセージが使えます。作り方は 公式LINEとは?できること・料金・始め方を解説 にまとめています。
応答メッセージの設定方法
管理画面(LINE Official Account Manager)での手順は3つです。
- 「設定」→「応答設定」で応答モードを決める(チャットと併用するかどうか)
- 「自動応答メッセージ」で新規作成する
- 応答タイプを選ぶ(キーワード応答か、一律応答か)
手順そのものは難しくありません。止まるのは、この次です。
キーワード応答は、設定したキーワードと完全一致するメッセージを受信したときに送られます。一律応答は、内容にかかわらず同じメッセージを返します。
営業時間外だけ自動で返す
「日中は手で返し、夜と定休日だけ自動にしたい」という使い方はよくあります。これは「応答設定」で応答時間を指定すると実現できます。
営業時間内はチャット(手動)、時間外は応答メッセージ、と時間で自動的に切り替わります。時間外に来た問い合わせを、放置せずに受けられます。
キーワード応答は完全一致が条件
ここが、いちばん誤解されている場所です。
公式マニュアルには、こう書かれています。「設定したキーワードと完全一致するメッセージを受信したときに応答メッセージが送信されます」。
部分一致では反応しません。「営業時間」と登録しても、返るのは「営業時間」とだけ送られたときです。
キーワードは1つの応答メッセージにつき51個まで登録できます。ですが、数を足しても解決しません。
言い方の数は、登録できる数より多いからです。「何時まで」「開いてる」「やってますか」。同じことを聞く言い方は、いくらでも増えます。
数字と英字については、全角・半角、大文字・小文字が違っていても反応します(LINE公式ヘルプ)。ただし、それ以外は完全一致が必要です。助詞や語尾が付いた時点で外れます。
複数設定したときの優先順位
キーワード応答と一律応答を両方設定した場合、送られる順番は決まっています。
- キーワードと完全一致したとき → キーワード応答
- 一致しなかったとき → 期間を指定した一律応答
- 次に → 時間を指定(毎日)した一律応答
- 最後に → スケジュール設定なしの一律応答
つまり、キーワードが外れた質問は、すべて一律応答に落ちます。ここに「お問い合わせありがとうございます」だけを置いていると、相手の質問には何も答えていないことになります。
AI応答メッセージは終了しています
「キーワードを設定しなくても、AIが判定して返してくれる機能があるはず」と探される方がいます。
かつて「AI応答メッセージ」という機能がありました。ですが、2023年11月29日をもって提供が終了しています。
解説記事はいまも残っていますが、現在この機能を設定することはできません。古い記事を見て探し続けると、時間だけが減ります。
では、いま「AIのように意図をくんで返す」をやりたい場合はどうするか。道は2つです。公式の後継機能(次の章)を使うか、外部のチャットボットや拡張ツールを使うか。順番に見ていきます。
後継はチャットProオプション前提
2025年11月、後継にあたる機能が出ました。「AIチャットボット(β)」です。
生成AIが会話の内容を判別し、あらかじめ登録したQ&Aの中から最適な回答を選んで返す仕組みです。PDFや画像からQ&Aを自動生成することもできます。
ただし、条件があります。
実際にユーザーへ返信させるには、「チャットProオプション」(月額3,000円/税別)の契約が必要です。未契約のアカウントでも、Q&Aの登録と動作確認までは順次提供されます。
加えて、次の制限があります。
- グループトークでは返信されません
- 「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」をオンにしているユーザーだけが対象です
- 対象外と判定された業種・アカウントには提供されません
整理すると、公式LINEの中で「意図を汲んで返す」を実現するには、有料オプションを契約したうえで、条件を満たしたときだけ動くという状態です。
ここからが本題|AIに任せる範囲
ここまでが、調べれば分かる範囲の話です。
そのうえで、ここからが今日いちばん書きたいことです。
従来の自動応答と、AIによる応答は、反応している対象が違います。
従来の自動応答が返せるのは、登録された言葉が来たときだけです。外れれば何も起きません。
AIによる応答は、「キャンセルしたい」と言われたときに、キャンセル手続きのURLを出すところまでを担当します。言い方が変わっても届きます。
ただし、ここで見落とされやすい点があります。案内先が1つとは限らないということです。
キャンセルの手続きが商品ごとに違う。返金と解約でURLが分かれている。こうなると、AIが選ぶ余地が生まれます。そして選べるということは、間違えられるということです。
AIが迷わない形にしておくことが、機能の性能より先に来ます。
一律でAIに返させると事故ります
もう1つ、実際に失敗が起きやすい場所を書きます。
すべての場面でAIに返させてはいけません。
先に断っておくと、これはAIだけの問題ではありません。人が対応していても、取り違えは起きます。意図を読み違えて、違う案内を出してしまう。よくあることです。
ニュアンスが少し違うだけで、答えが変わる質問もあります。人でも外します。
AIが見ているのは、その1通だけかもしれない
では、何が問題なのか。判断に必要なのは、送られてきた文章の意味だけではないということです。
「まだ届きません」という一言に、正しく答えられるでしょうか。この人と過去にどんなやり取りがあったかが分からなければ、何の話かすら決まりません。
そして問題は、その履歴がシステムの中にあるとは限らないことです。
人が対応するときは、覚えていれば補えます。AIは、渡された情報しか見られません。足りていない状態で、それらしい答えを作ってしまいます。
だから私は、判断が重い返信ほど、AIに任せないほうがいいと、いまも思っています。情報が足りていないことの影響が、そこに集中して出るからです。
AI応答を検討するとき、私が最初に決めるのは「どこでAIに返させるか」ではありません。「どこでAIに返させないか」です。止める場所が決まっていないまま動かすと、失敗はそこに集中します。
ツールを選ぶときの3つの質問
ここまでを踏まえると、外部ツールを検討するときに確認すべきことは3つに絞れます。
① AI対応を、場面ごとに切り替えられるか
全体でオン・オフするだけの設計だと、返させたくない場面でも返ります。シナリオや導線ごとに切り替えられるかを見てください。
② AIに渡っている情報は足りているか
案内先が複数あるとき、どれを出すかの条件を持たせられるか。Q&Aを並べるだけの設計では、似た質問で取り違えます。
あわせて、その人の過去のやり取りを見られるかを確認してください。1通だけを見て答える設計では、話の続きに答えられません。
③ 自信がないときに、黙るか
いちばん大事なところです。判定に自信がないときに、推測で返すのではなく人につなぐか。ここが設計されていないツールは、外したときの損失が大きくなります。
この3つは、機能一覧を眺めても分かりません。設定画面を見せてもらえば分かります。
よくある質問
Q自動返信に料金はかかりますか?
Aかかりません。応答メッセージは通数を消費しないので、無料プランでも使えます。ただしAIチャットボット(β)は有料オプションが必要です。
Qキーワードは何個まで登録できますか?
A1つの応答メッセージにつき51個までです。ただし数を増やしても、言い方の網羅はできません。
Q部分一致で反応させることはできますか?
Aできません。キーワード応答は完全一致のみです。数字と英字の全角半角・大文字小文字だけが例外です。
QAI応答メッセージはもう使えないのですか?
A使えません。2023年11月29日に提供終了しています。現在も解説記事が残っていますが、設定画面にありません。
Q自動返信とチャットは同時に使えますか?
A使えます。「応答設定」で応答時間を指定すると、営業時間内は手動チャット、時間外は自動返信という運用ができます。
QAIに任せないほうがいい返信はありますか?
A判断が重い返信です。AIは渡された情報しか見られません。過去のやり取りがシステムに無いと、それらしい間違いを作ります。
Q外部ツールを使うと何が変わりますか?
A完全一致の制約から外れます。ただし「どこでAIに返させないか」を決められるかは、ツールによって差があります。
まとめ|返信より「止める場所」
この記事では、公式LINEの自動返信の仕様と、AIに任せる範囲の決め方を整理しました。
この記事の要点
- 自動返信はあいさつ・応答メッセージ・チャットの3種類。すべて通数を消費しない
- キーワード応答は完全一致のみ。「営業時間は?」では返らない
- キーワードは51個まで。ただし言い方の数は登録数より多い
- 外れた質問はすべて一律応答に落ちる。ここが実質の受け皿になる
- AI応答メッセージは2023年11月29日で終了。後継は有料オプション前提
- 従来は返せない、AIは間違えて返す。失敗の種類が違う
- 取り違えは人でも起きる。違いは、AIが渡された情報しか見られないこと
- 確認すべきは場面ごとの切り替え・渡している情報・黙る設計の3つ
「自動返信を設定したのに返らない」という相談の答えは、設定方法ではありませんでした。仕様がそうなっている、が答えです。
そして、その先でAIを使う判断をするとき、性能の話から入ると失敗します。止める場所が決まっていないまま動かすからです。
だから私は、AI応答を考えるときに、返す範囲より先に返さない範囲を決めています。順番を逆にすると、いちばん大事な場面で事故が起きます。
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