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メルマガの開封率|平均は当てにならない
メルマガの開封率の平均は20〜25%とされます。ただしその数字は業界で2倍以上ちがい、Appleのメールでは開いていない人も数に入っています。数え方の仕組み、比べる相手の決め方、上げるための4つの打ち手まで整理しました。

メルマガの開封率が18%でした。平均が20%と聞いたので、低いということでしょうか。
中川 瞬その比較は、たぶん成立していません。まず「開封率が何を数えているか」から見ていきましょう。
開封率が出たとき、多くの人がまず平均を調べます。そして自分の数字と比べて、高い・低いと判断します。
先にお伝えします。その平均は、あなたの数字と比べられる作りになっていません。
理由は2つあります。業界によって2倍以上ちがうこと。そして開いていない人まで数に入っていることです。
この記事では、開封率の数え方から順に整理します。そのうえで、何と比べればいいのかを書きます。
メルマガの開封率とは|数え方
開封率は、「配信した数のうち、何%が開かれたか」を表す数字です。
ただ、どうやって「開いた」と判定しているのかは、あまり知られていません。
つまり開封率は、読者の行動そのものを測っているわけではありません。画像が取りに来たかどうかを、開封の代わりにしています。
この仕組みだと、ずれが2方向に出ます。
- 実際より低く出る — 画像を表示しない設定の人は、読んでいても数えられない
- 実際より高く出る — 開いていなくても、画像が先に読み込まれることがある
後者が、いま起きている大きな変化です。あとで詳しく書きます。
メルマガの平均開封率は何%か
まず、よく引かれている数字を並べます。
「20%前後」と書いている解説記事がある一方、「15〜30%程度」としている記事もあります。配信サービスのBenchmark Emailが公開している2026年版のレポートでは、全体の平均開封率は25.54%とされています。
Benchmark Emailのレポートは、約68,000ユーザー・90以上の業種・21の地域を集計したものだと明記されています。
ここで注意してほしいのは、多くの解説記事が「20%前後」と書きながら、その出典を示していないことです。
数字そのものより、その数字がどこから来たのかを確かめるほうが先です。出典がなければ、比べる意味がありません。
業界で2倍以上ちがう
そしてもう1つ。平均という1つの数字にまとめること自体に、無理があります。
同じレポートの業界別を見ると、差の大きさが分かります。
マーケティング・広告は19.14%、政府・官公庁は64.27%です。3倍以上ちがいます。
この2つを足して割った数字と、自分の18%を比べても、判断材料にはなりません。
開いていなくても、数えられる
ここからが、いちばん知られていない部分です。
Appleは「メールでのプライバシー保護」という機能を提供しています。Appleの公式ページには、こう書かれています。
Appleは、メールの送信者が「いつ、何回開いたか」「転送したかどうか」「IPアドレス」を知ることを防ぐ機能だと説明しています。
そのうえで、リモートコンテンツは操作にかかわらずバックグラウンドでダウンロードされると明記しています。
後半が重要です。「どのように操作したかにかかわらず」ダウンロードされると書かれています。
開封率は、その画像が読み込まれたかどうかで判定していました。つまり——
開いていなくても、画像だけが先に取りに来ます。そして開封として記録されます。
受信箱を開いていない人も入る
この仕組みだと、次のような人まで開封に数えられます。
- 通知を見ただけで、メールを開いていない人
- 件名を見て、そのまま削除した人
- 受信箱すら開いていない人
開封率は上がります。ただし、読まれた量は増えていません。
日本はiPhoneが約半分
では、この影響はどのくらいの規模なのか。
MMD研究所が2026年2月に発表した調査では、日本のスマートフォンOSシェアはiPhoneが49.0%、Androidが50.8%でした。18歳〜69歳の40,000人を対象に、34,867人を分析した数字です。
iPhoneを使っている人が全員Appleの「メール」アプリを使うわけではありません。ただ、読者のうち相当数がその対象に入るとは言えます。
そして、この影響は2021年以降に効き始めています。それ以前に作られた「平均20%」という感覚と、いまの数字は、同じ物差しではありません。
「メルマガ 開封率」で上位に出る記事の多くは、メール配信サービスの会社が書いたものです。開封率を表示する画面を売っている以上、「その指標は当てになりません」とは書きにくい構造があります。書けないのではなく、書く動機がありません。
ここからが本題|比べる相手
ここまでが仕組みの話です。調べれば分かる範囲でもあります。
そのうえで、今日いちばん書きたいことを書きます。
比べる相手は、業界平均ではありません。先週の自分です。
理由は単純です。平均と自分では、測っている条件がそろっていません。業界も、リストの集め方も、配信の頻度も、受信環境もちがいます。
一方、先週の自分と今週の自分なら、条件はほぼ同じです。変えたのは件名か、送る時間か、中身か。そこだけが差になります。
見るのは「率」ではなく「向き」
だから、見るべきなのは数字の高さではありません。前回と比べて、どちらへ動いたかです。
- 20% → 24% — 何かが効いた。何を変えたか記録する
- 24% → 19% — 何かが外れた。同じく記録する
- 18%のまま3か月 — 平均より低いかどうかは、この際どうでもいい。動いていないことが問題
平均と比べているかぎり、この判断はできません。「低い」で終わって、次の一手が出てこないからです。
開封率だけでは足りない
もう1つ。開封率は単体では使えない指標になりました。開いていない人が混ざるからです。
あわせて見るなら、クリック率のほうが実態に近くなります。リンクを押すのは、画面ではなく人だからです。
開封率を上げる4つの打ち手
そのうえで、実際に動かせるところを挙げます。順番も、この並びのままで構いません。
① 差出人の名前
受信箱で最初に見られるのは、件名ではなく差出人です。誰から来たか分からないものは、件名を読む前に飛ばされます。
会社名だけにしている場合は、個人名を足すだけでも変わります。「株式会社◯◯」より「◯◯/株式会社◯◯」のほうが、人から届いた形になります。
② 件名は最初の15文字
スマートフォンの受信箱では、件名は途中で切れます。後半に大事な言葉を置いても、開く前には見えていません。
要点を前半に寄せる。これだけで、書き直しの効果が出ます。長さを削るのではなく、順番を入れ替えるほうが先です。
③ 送る時間と頻度
送る時間は、読者の生活に合わせます。BtoBなら平日の朝や昼、個人向けなら夜や休日、というのが一般的な目安です。
ただしこれは仮説にすぎません。2〜3パターン試して、自分のリストで確かめるほうが確実です。
頻度は、多いほど開封率が下がりやすくなります。ただし届く総量は増えます。率だけを見て減らすと、結果として読まれる量まで減ります。
④ リストを掃除する
いちばん効くのに、いちばん後回しにされるのがこれです。
半年以上まったく開いていない人を、配信対象から外す。母数が減るので率は上がりますし、届かないアドレスへの配信も減ります。
迷惑メール扱いされる原因にもなるため、掃除は率の話ではなく、届くかどうかの話でもあります。
それでも動かないとき
4つ全部やっても動かないことがあります。その場合、原因は件名や時間ではありません。
そもそも、届いていない可能性があります。
2024年2月から、Gmailの送信者に対する要件が変わりました。SPFまたはDKIMの設定が必須になり、1日5,000件を超える送信者にはDMARCも求められます。ここが未設定だと、迷惑メールに振り分けられます。
この点はメルマガ配信ツールの選び方|出せるかで選ぶで整理しています。
そして、届く場所そのものを増やすという選択もあります。メールとLINEの違いはメルマガとLINEの違い|どっちを選ぶかの基準にまとめました。
AiCmoでは、メルマガ配信機能の追加を予定しています。現時点では提供していません。公式LINEの配信は、いまお使いいただけます。
よくある質問
Qメルマガの平均開封率は何%ですか?
A解説記事では20%前後とされることが多く、Benchmark Emailの2026年版レポートでは25.54%です。ただし業界別では19%台から64%まで開きます。
Q開封率が平均より低いのですが、問題ですか?
Aその比較では判断できません。業界も測定条件もそろっていないためです。前回の自分の数字と比べてください。
Qなぜ開封率が急に上がったのですか?
AAppleの「メールでのプライバシー保護」の影響が考えられます。操作にかかわらずリモートコンテンツがダウンロードされるため、開いていない人も数に入ります。
Qテキストメールでは開封率は測れませんか?
A測れません。開封の判定はHTMLメールに入れた画像の読み込みで行っているためです。
Q開封率の代わりに何を見ればいいですか?
Aクリック率です。リンクを押すのは人なので、画面の自動読み込みでは動きません。
Q配信頻度を上げると開封率は下がりますか?
A下がりやすくなります。ただし届く総量は増えます。率だけで判断すると、読まれる量まで減らすことになります。
まとめ|開封率は、目的ではない
この記事では、開封率の数え方と、平均と比べられない理由を整理しました。
本文の見せ方で迷ったら、メルマガのデザイン もあわせてどうぞ。
この記事の要点
- 開封率は「読んだか」ではなく「画像が読み込まれたか」を数えている
- 平均は20%前後/25.54%など出どころで異なり、出典が無い記述も多い
- 業界別では19.14%〜64.27%。全体平均に当てはまる業界は多くない
- Appleのメール保護により、操作にかかわらず画像が読み込まれる
- 日本のiPhoneシェアは49.0%(MMD研究所・2026年2月)
- 比べる相手は業界平均ではなく前回の自分。見るのは高さではなく向き
- 打ち手は差出人名 → 件名の前半 → 時間と頻度 → リストの掃除の順
- 動かないときは、そもそも届いていない可能性を先に確かめる
開封率が上がっても、売上が動かないことがあります。逆に、開封率が下がっても売上が伸びることもあります。
開封率は、届いたかどうかを確かめるための道具です。上げること自体が仕事になった時点で、順番が入れ替わっています。
だから私は、開封率を「成績」ではなく「前回と何を変えたかの記録」として見ています。数字の高さより、動いた向きのほうが、次の一手につながるからです。
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