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メルマガ配信ツールの選び方|出せるかで選ぶ
メルマガ配信ツール(メルマガスタンド・メール配信システム)の選び方を整理しました。料金の決まり方、無料で使える範囲、2024年2月から変わったGmailの送信者要件、そして最も見落とされる「やめるときにリストを出せるか」まで解説します。

メルマガの配信ツールを探しています。おすすめはどれでしょうか?
中川 瞬おすすめ順で選ばないほうがいいです。見る場所が1つあるので、そこから書きますね。
メルマガ配信ツールを探すと、「おすすめ10選」の記事が並びます。
ですが、そこに並んでいるツールは、どれも配信はできます。比べるべきなのは機能ではありません。
先にお伝えします。見るべきは、やめるときにリストを出せるかどうかです。
メルマガの資産はツールではなく、読者のリストだからです。この記事では、料金と仕様を整理したうえで、後半でこの基準を書きます。
呼び方は違っても、同じもの
探し始めて最初に戸惑うのが、名前です。同じものが、いくつもの呼び方をされています。
- メルマガ配信ツール
- メール配信システム
- メルマガスタンド
- メルマガ配信サービス
- メルマガソフト
指しているものは同じです。大量のメールを、まとめて確実に送るためのシステムです。
とくに「メルマガスタンド」は、個人やコンテンツ販売の界隈でよく使われる言い方です。企業向けの記事では「メール配信システム」と書かれます。用語が違うだけで、探しているものは同じと考えて構いません。
料金は「件数」で決まる
ほぼすべてのツールが、次のどちらかで料金が決まります。
- 登録件数(リストに何人いるか)
- 配信通数(月に何通送るか)
つまり読者が増えるほど、月額は上がります。ここはどのツールも同じです。無料で始めても、増えれば必ず有料になります。
この構造は公式LINEと似ています。LINEは「人数×回数」で通数を消費します(公式LINEの料金プラン|無料200通は「人数×回数」で決まる)。
違うのは上がり方の傾斜です。メールのほうが、件数が増えたときの費用は緩やかです。
無料で使える範囲
多くのツールに無料プランがあります。ただし、必ず上限が付いています。
制限のかかり方は、だいたいこの3つです。
- 登録件数の上限(◯件まで)
- 月の配信通数の上限
- 機能の制限(ステップ配信・分析・独自ドメインなど)
3つ目が、あとから効いてきます。件数は足りていても、やりたいことができないという止まり方をします。
件数の上限ではなく、「ステップ配信が無料枠で使えるか」を先に見てください。1通ずつ手で送る運用は、続きません。
2024年からGmailの条件が変わった
ここは、比較記事にあまり書かれていない点です。
2024年2月1日以降、Gmail宛にメールを送る側の要件が変わりました。満たしていないと、届かなくなる可能性があります。
すべての送信者に、SPFまたはDKIMによる認証、有効なPTRレコード、TLS接続が求められます。1日5,000件を超える送信者には、さらにSPF・DKIM・DMARCのすべてと、ワンクリックでの配信登録解除が必須になります。
難しく見えますが、判断はシンプルです。これらの設定を、ツール側が用意しているかどうかを見てください。
自分のドメインから送る場合は、DNSの設定が必要になります。ツールがその手順を案内しているかどうかで、後の手間がまったく変わります。
ここからが本題|出せるかで選ぶ
ここまでが、調べれば分かる範囲です。
そのうえで、ここからが今日いちばん書きたいことです。
比較記事は、たいていベンダー(ツールを売っている会社)が書いています。だから、ある1点だけは絶対に書かれません。
やめるとき、リストを出せるかどうか。
資産はツールではなく、リスト
メルマガを続けていると、資産が溜まります。それは配信ツールではありません。読者のメールアドレスです。
ツールは、その資産を置いている場所にすぎません。置き場所は、あとから変えられるべきものです。
確認するのは、契約前
この確認は、入れる前にしかできません。入れたあとに「出せませんでした」と分かっても、そのときには数千件が中にあります。
見るべきなのは、次の2つです。
- 登録者リストをCSVで書き出せるか(項目に制限はないか)
- 解約したあと、データはいつまで残るか
無料プランで試すときも、この2つは先に確認してください。使い勝手より先です。
LINEとの違いは、ここにある
前の記事で、公式LINEの友だちは外に持ち出せないと書きました(メルマガとLINEの違い|どっちを選ぶかの基準)。
メルマガの利点は、本来はリストが手元に残ることです。ですがそれはツール次第です。出せないツールを選べば、LINEと同じ状態になります。
メールを選ぶ意味が、そこで消えます。
選ぶときの3つの質問
まとめると、確認するのはこの3つです。
① いま何件で、1年後に何件か
料金は件数で決まります。いまの件数ではなく、増えた後の金額で比べてください。無料枠の広さより、こちらが効きます。
② 独自ドメインで送れるか
到達率に関わります。SPF・DKIM・DMARCの設定に対応しているか、手順が案内されているかを見てください。
③ やめるとき、リストを出せるか
いちばん大事な質問です。ここが確認できないツールは、候補から外して構いません。出せないことを隠す理由が、こちら側にはありません。
主要ツールの位置づけ
よく比較される5つを、1枚に並べるとこうなります。横は料金の型、縦は「メルマガ専用か、多機能か」です。
1対1で詳しく比べたものは、それぞれの記事にまとめています。
- マイスピーとアスメル|多機能か専用か
- マイスピーとオレンジメール|役割の差
- アスメルとオレンジメール|料金が逆転
- リザーブストックとマイスピー|業態で選ぶ
- リザーブストックとアスメル|専用か多機能か
- リザーブストックとMOSH|手数料か月額か
AiCmoでは、メールマガジン機能の追加を予定しています。現時点では提供していません。提供開始の時期は、決まり次第このページでお知らせします。
よくある質問
Qメルマガスタンドとメール配信システムは違うものですか?
A同じものです。呼び方が違うだけで、個人向けの文脈では「スタンド」、企業向けでは「システム」と呼ばれることが多いだけです。
Q無料のツールでも大丈夫ですか?
A始めるには十分です。ただしステップ配信が無料枠で使えるかを先に確認してください。
Q料金はどうやって決まりますか?
A登録件数か配信通数です。読者が増えるほど月額が上がる構造は、どのツールも共通です。
Qメールが迷惑メールに入ってしまいます。
A2024年2月からGmailの送信者要件が変わりました。SPFまたはDKIMの設定が必要です。1日5,000件を超えるならDMARCも必須です。
Q後からツールを乗り換えられますか?
Aツールによります。登録者リストをCSVで書き出せるかを、契約前に確認してください。
Q結局どれを選べばいいですか?
Aおすすめ順ではなく、①増えた後の金額 ②独自ドメイン対応 ③リストを出せるかの3つで比べてください。
まとめ|機能より、抜けられるか
この記事では、メルマガ配信ツールの選び方を整理しました。
この記事の要点
- スタンド・システム・ソフト・サービスは、すべて同じもの
- 料金は登録件数か配信通数で決まる。読者が増えれば必ず上がる
- 無料プランの制限は3種類。効いてくるのは「機能の制限」
- 2024年2月からGmailの送信者要件が変更。SPF・DKIM、5,000件超ならDMARCも必須
- 資産はツールではなくリスト。だから出せるかどうかで選ぶ
- 確認は契約前にしかできない。入れたあとでは遅い
比較記事は、たいていツールを売っている側が書いています。だから「うちから乗り換える方法」は書かれません。それが悪いのではなく、立場としてそうなります。
ですが選ぶ側にとっては、そこがいちばん重要です。入るときの条件より、抜けるときの条件のほうが、後で効いてきます。
だから私は、ツールを作るときもデータを出せることを前提に置いています。抜けられる状態で使ってもらったほうが、結果として長く使われるからです。
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